もう秋ですが、夏休みを兼ねて福島に帰ってきました。やー、やはり故郷はいいですね。せっかく福島に帰って来ているし、どこか行きたいものだと思いまして、飯坂温泉へ行って参りました。
飯坂温泉は“福島の奥座敷”の異名を持つ温泉街で、奥州三名湯に数えられています。アクセスは、福島駅から飯坂線に乗り込んで、そのまま終電まで。約20分ほどの道のりです。この飯坂線も、風情があって私は好きです。
いまはなかなか天井に扇風機を設置している電車も少ないですよね。学生のころ、友人の家に遊びに行くために乗った飯坂線は、まるで一人旅をしているかのような気持ちになったことを思い出しました。福島駅の飯坂線のホームは反対側に阿武隈急行線という電車のホームになっているので、乗り間違えないようにお気をつけて。
子どものころは年に1~2回、親族で訪れていた飯坂温泉ですが、大人になってからは来た記憶がありません。駅前に降り立ち、観光ガイドを片手にどこに行こうかとプランを練るこの楽しさ。今回は宿泊ではなく、共同浴場を巡るのが目的です。飯坂温泉の共同浴場は9ヶ所あって、どこも入浴料は300円程度とお手頃価格。旅館の日帰りもゆっくりできていいですが、1日で何か所も周れる共同浴場、かなり好きです。
飯坂温泉の共同浴場
鯖湖湯(さばこゆ)、十綱の湯(とつなのゆ)、仙気の湯(せんきのゆ)、切湯(きりゆ)、導専の湯(どうせんのゆ)、大門の湯(だいもんのゆ)、八幡の湯(やはたのゆ)、天王寺穴原湯(てんのうじあなばらゆ)、波来湯(はこゆ)というのが、飯坂温泉の共同浴場の一覧です。施設によって定休日が違うので、お湯めぐりをする時は事前チェックをお忘れなく。
とりあえず、なにがあっても絶対に外せない(行きたい)のは、飯坂温泉の共同浴場の代名詞のようになっている鯖湖湯(さばこゆ)です。こちらは飯坂温泉発祥の湯とされていて、奥の細道で有名な松尾芭蕉もお湯につかったと言われているところ。
以前は日本最古の木造共同浴場といても知られていましたが、1993年(平成5年)に建て替えられました。とはいえ木造の美しい建物であるのには変わりなく、そのたたずまいをみただけでテンションが上がります。訪問したときは昼間でしたが、建物と街灯に明かりが灯った姿はさぞ綺麗なんだろうなあ、なんて思ったり。
鯖子湯の入り方
というわけでまずは鯖湖湯。入口をくぐると自販機があるので、こちらで入浴券を購入します。自販機に「石鹸(小)」と書かれたボタンを見つけ、もしやと思って入口の小部屋(駅員さんがいるような場所、入浴券もここへ)のおじさんに「ひょっとして中に石鹸とかは置いてませんか?」と聞いてみました。すると、観光客だと察したらしいおじさんが、この施設の使い方を新設に説明してくれました。
それによると
・石鹸やシャンプーは置いていない
・シャワーもない
・かけ湯用のお湯があるので、髪や体を流すとき、お湯から出る時はそちらを利用
・お湯は熱いので、水を入れて調節
とのことでした。なるほど、聞いてよかった。地方の共同浴場などはルールがあったりするので、観光でお邪魔するときには気をつけています。券をおじさんに渡して石鹸(小)を受けとります。中へ入って驚きました。浴場と脱衣所の壁がないのです。こういった造りは初めてだったので、思わず見回してしまいました。
一応脱衣所の方が一段高くなっていて、ひざ下くらいまでの垣根のようなものはあるのですが、壁で隔てられてはいないんですね。立派な2本の柱が行き来する階段の両脇に立っていて、まるで鳥居のようなたたずまい。そう思ってみると、なんだか全体的に神殿ぽいような。天井もすごく高い。
最古の木造共同浴場といわれていたころの姿は知りませんが、きっと当時の姿を残しているんだろうなと思いました。
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